北三の誕生秘話
偶然の出会いから、ツキ板の発想が生まれた!
1918(大正7年)北三の創業者 尾山金松は、新天地・北海道で身を立てようと、北見で履物店を開業。
下駄の材料を求めて山に入ったある日、積雪が溶けた跡にタモの切り株を見つけました。
ナタを入れると美しい木目がのぞいており、尾山はこれを買い取って1.5mmの厚さに削り、下駄の上に貼りつけてみたところ、
独特の玉杢目がきれいに浮かび上がってきました。この下駄を「すずらん履き」として売り出すと大評判になったのです。

北海道の山々にも遅い春が訪れる。うず高く降りつもった雪が濁流となって海に流れ出すと、
雪の下には、はや若いいのちが息づいている。私は、まだ深い残雪を踏み分けながら山道を急いでいた。
昨年、九州の段谷福十氏と契約した下駄棒十万足の納期が切迫していたのである。
ふと、私は道端の異様なふくらみをもった「タモの切り株」に目がとまった。タモはモクセイ科に属し、
北海道の代表的な木材である。この地方では、冬、雪の上で立木を伐採すると、乾いているような粉雪の上をソリで山だしする。
雪の上できり倒すから、雪がとけると地上に1メートルも高さのある切り株が顔をだすのだ。私は衝動にかられて、
やにわに腰に下げた手斧を振りあげて、その切り株のふくらみを削った。黒くなった樹皮の下から真白い木肌に、
うずを巻いたような「もくめ」が現れた。その、あまりの美しさに、私はしばらく我を忘れて見惚れていた。
「朽ちるにまかせているこの沢山の切り株。このなかには、このように美しい杢木が少なからずある。生かす道はないだろうか?
もし生かすことが出来たら…」この気持ちが 北三(株)を創り出しました。
北三(株)創業者 尾山金松の著書「ツキ板に生きる」の一節より
本書の一編「タモの杢」はダウンロードしてご覧ください。
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