天然木を1枚1枚丁寧にスライスしたものを「突板(ツキイタ)」と呼びます。
国内水準厚は約0.2mm。その基準をつくったのが北三です。
天然木の中でも特に美しい木目の出る、希少性の高い木は「銘木」と呼ばれます。銘木をスライスすることにより、1本の丸太からより広い面積の、天然の木目柄を持った薄い板を生み出せます。
この薄い板を家具や建材、雑貨や楽器など、様々なものに活用することで、天然の木をあらゆる場所に取り入れることが可能になります。
すなわち、より多くの方々の暮らしの中に、天然木が与えるくつろぎや安らぎをお届けすることができる素材、それが「突板(ツキ板)」です。
突板はスライスする厚みによって、呼び方が変わります。
約0.35㎜未満までのツキ板は「薄突き(ウスヅキ)」と呼ばれ、中でも日本国内で一番スタンダードな厚みは約0.2mmです。主に内装壁装材や家具等に使用される規格で、これが最もよく流通しています。
その次に分厚いものは0.35mm以上1mm未満の「厚突き(アツヅキ)」です。こちらは通常約0.55mmのものが多く、造作部材や家具、楽器などに使われます。海外ではこの厚突きの厚さのものが主流となっています。
※1mm以上のものは「特厚突き(トクアツヅキ)」と呼ばれます。
上の絵は、1920年頃に考案された木製手押しスライサーを描いたものです。
当時の機械は土台に固定した鉋(カンナ)に木取り材を置き、人力で「突く」ように前後に動かして削り出していました。この製造方法から、「突く・板」ということで「突板」の名前が付いたといわれています。
北三の突板の特長は大きく分けて2つ。
1つ目は、世界各国から集めた樹種の豊富さです。原木の仕入れは商社を挟まず直接行っているため、現地との強固なネットワークを築くことが不可欠です。
北三はこれまでの信頼関係と実績の積み重ねにより、良質な丸太の仕入れと安定した供給を実現しています。輸入している樹種の中には、ほかでは取り扱われない希少価値の高い樹種も少なくありません。
2つ目は創業から100年以上培ってきた、確かな技術力です。木材の状態を見極め、最大限にきれいな木目を引き出すため、木の種類や気候などそれぞれの条件に合わせた加工方法を採用しています。
「突板といえば北三」。そう言われるに恥じない、高品質の突板を職人一人一人の高い技術力によりつくり続けています。
下駄、調度品の突板製作から始まった北三の歴史。
今では建築物の内装材、家具、雑貨、照明、楽器、自動車のインテリアパネルなど、時代とともに突板の利用範囲は広がっています。
突板は汎用性の高い基材と組み合わせることで、様々な機能性をプラスすることができます。曲面加工性、不燃性、耐久性、透光性など、天然木のあたたかみや美しい木目柄はそのままに、それまで天然木になかった性能を付加することができます。
新たな用途の可能性を秘めた「突板」。ぜひあなたの身近なものにも突板を使ってみませんか?